双眼鏡、フィールドスコープ等の性能を説明する用語の解説。
製品欄に載っている といったピクトの説明もこちらに掲載しています。
イタリア人ポロが発明したポロプリズム式と、屋根型プリズムを使用したダハプリズム式(ドイツ語で屋根=ダハ)があります。 ポロプリズム式はコストパフォーマンスに優れますが、やや大型となる傾向があります。 ダハプリズム式は接眼レンズから対物レンズまでの光軸を一直線に設計できることから、同口径のポロプリズム式よりも小型でスマートな双眼鏡を作ることができます。
レンズやプリズムには様々なコーティング処理が施されています。このコーティングにより光の損失が抑えられ、明るい像を見ることができます。 光学性能はコーティングの種類と加工部位により異なってきます。
見る対象に最も近い側に使われるレンズが対物レンズ。その直径を有効径といいます。数値が大きいほど集光力があり、解像力の優れた双眼鏡、フィールドスコープとなります。 また有効径が大きくなるほど、ボディのサイズも大きくなります
双眼鏡やフィールドスコープを動かさずに見られる範囲を角度で表したもの。実視界が大きいほど見える範囲が広がります。
双眼鏡をのぞいた際、視野がどのくらい開けているかを角度で表しています。
従来、見掛視界は「実視界×倍率」の計算式により算出されてまいりましたが、(株)ビクセンでは2009年度新規カタログ掲載製品より、JIS規格B7157:2003に基づいた計算式を採用いたします。 新しい計算式に基づく「見掛視界」の数値には、スペック表において※マークが付いています。
JIS規格 B7157:2003計算式「tan ω'=τ×tan ω(見掛視界:2ω'、実視界:2ω、倍率:τ)」
双眼鏡やフィールドスコープを動かさずに見ることができる、1000m先の範囲をメートルで表しています。
接眼レンズによってできる対物レンズの像の直径を表しています。大きいほど像は明るくなります。
ひとみ径 = 対物レンズ有効径÷倍率
ひとみ径を2乗した数値を「明るさ」として表しています。数値が大きいほど像は明るくなります。
双眼鏡をのぞいたときに、全視野を見ることのできる目の位置と接眼レンズ面との距離を表しています。アイレリーフが長いほど、目に負担をかけません。
ピントが合う範囲での、双眼鏡やフィールドスコープ見る対象との最短距離を表しています(個人によって若干の差異があります)。
長時間にわたる観察や倍率の高い双眼鏡を使うときには、三脚に固定してご使用いただく方が、安定した視界を確保できます。
肉眼で見たときのイメージ
カモの姿はこんなに小さくしか見えませんが…
8倍の双眼鏡でのぞくと…
さらに、20倍でのぞくと…
双眼鏡を選ぶ上での一番のポイントはやはり倍率です。しかし倍率が高ければ良いというものでもありません。 手持ちで見るのであれば10倍程度までが見やすく、それ以上の倍率では手ブレによって段々見づらくなります。また倍率が高くなるほど像は暗くなり、視界も狭くなります。
フィールドスコープは接眼レンズを替えることにより、倍率が変化します。
見る対象によって倍率を変えられるズームタイプなどもあります。この場合、高倍率側では対象が大きく見えますが、視野はやや暗くなります。
例えば… <シチュエーション別 おすすめの倍率>
大きいほど集光力があるので、シャープな像を見ることができます。しかし有効径が大きくなるほどボディ全体のサイズも大きくなり、携帯が困難になってきます。
バードウォッチングやスポーツ観戦など、動きのすばやい対象を追うには、実視界の広いものを選びましょう。
裸眼でのぞく場合は、このように見口部分を伸ばすと見やすくなります
(写真はアペックスプロシリーズのポップアップ式見口)。
メガネをかけている場合は、見口部分を伸ばさずにのぞきます
アイレリーフの長いものほどのぞきやすく、長時間の観察でも目が疲れにくくなります。ハイアイポイント設計であれば、メガネをかけたままのぞいても十分な視野を得ることができます。
携帯方法や観察場所などを考慮して、目的、観察スタイルに合ったものを選びましょう。
双眼鏡やフィールドスコープの接眼レンズには、15倍、20倍といった固定の倍率のものと、8~32倍といった変倍がレバーなどの操作でできるズームタイプがあります。 見る対象に合わせて倍率を変えられるズームタイプは、幅広い用途に使うことができます。一方、高倍率側では、固定倍率タイプと比べて視野が狭く、暗くなるというデメリットがあります。
雨や雪に濡れる心配のある場合や、海辺などで使用するのであれば、防水タイプの双眼鏡、フィールドスコープを選びましょう。